日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるオーキシンを介した根の形態形成に関わる遺伝子の網羅的発現解析
*飯田 竜資深城 英弘田坂 昌生
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p. 048

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抄録
 双子葉植物の根において、外性のオーキシンが主根の内鞘細胞の分裂を促進させることにより、側根形成を誘導させることが知られている。オーキシンを介したこのような形態形成の分子機構を解明するためには、個々の遺伝子の解析だけではなく、多数の遺伝子発現プロファイルの分析も重要であり、複数の因子の働きを包括的に理解するアプローチが必須である。
 そこで我々は、オーキシンを介した側根形成などの根の形態形成に関与する遺伝子発現プロファイルを明らかにする目的で、シロイヌナズナオーキシン耐性変異体slrsolitary-root)と野生株の根で発現しているRNA(オーキシン処理区・非処理区)を、DNAマイクロアレイ(Agilent Arabidopsis-1, 14,403遺伝子を搭載)を用いて網羅的に比較・解析した。SLR遺伝子はオーキシン応答に関与する転写調節因子Aux/IAAファミリーのIAA14をコードしており、その機能獲得変異体であるslrでは、側根形成が全く起こらない、根毛形成が起こらない、根と胚軸の重力屈性に異常がみられる、などオーキシン関連の表現型を示す。上述したマイクロアレイ解析によってオーキシンを介した側根形成に関わる可能性の高い遺伝子を複数同定した。現在これらの遺伝子についての発現の組織特異性を解析している。
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© 2004 日本植物生理学会
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