日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナMADS-boxタンパク質AGL24が関与する複合体の解析
*竹村 美保澤井 理恵金子 美幸横田 明穂河内 孝之
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p. 179

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抄録
 我々は、シロイヌナズナの花成制御の分子機構を明らかにするために、花成促進に働くMADS-box遺伝子AGL24の解析を行ってきた。シロイヌナズナの花成には他にもMADS-box遺伝子が関与し、SOC1は花成促進に、FLC, FLM, SVPは花成抑制に働く。また興味深いことに、AGL24SVPは進化系統学的に非常に近縁である。MADS-boxタンパク質はMADS-boxタンパク質同士で転写因子複合体を形成することが示唆されているが、これらが複合体を形成するのかは不明である。本研究では、AGL24が複合体を形成しているかどうかを明らかにし、AGL24の転写因子としての機能を明らかにすることを目的としている。さらに、AGL24SVPの拮抗作用についても解析を行っている。これまでに、酵母Two-hybridスクリーニングによりAGL24と相互作用する因子を選抜した結果、SOC1, AP1, FULなどを単離した。発現パターンから、AGL24は栄養生長期茎頂においてはSOC1と、分化初期の花分裂組織においてはAP1, FULと相互作用するものと考えられた。次に、プルダウン法による結合アッセイなどを行い、相互作用についてさらに検証した。以上の結果から、AGL24とSVPはホモ二量体を形成し、互いに相互作用すること、また同じMADS-boxタンパク質と相互作用することが明らかとなった。
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© 2004 日本植物生理学会
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