日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジャスモン酸結合タンパク質の単離・解析に向けた分子プローブ候補化合物の合成と生理活性検定
*軸丸 裕介浅見 忠男瀬戸 秀春吉田 茂男横山 正小原 直美長谷川 守文児玉 治西山 真野尻 秀昭山根 久和
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p. 205

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抄録
 ジャスモン酸(JA)結合タンパク質の単離・解析に用いる分子プローブの開発を目的として、JA-アミノ酸複合体、JA-biotin複合体、JA-dexamethasone複合体、JA-FITC複合体を合成し、3種の検定系を用いてそれらの生理活性検定を行った。天然に存在することが報告されているJA-アミノ酸複合体については、イネ伸長抑制活性検定で天然型の(−)-JA-L-アミノ酸、非天然型の(+)-JA-L-アミノ酸がほぼ同等の生理活性、ダイズ培養細胞phenylalanine ammonia-lyase(PAL)誘導活性検定では天然型が非天然型よりも活性が高く、イネファイトアレキシン誘導活性検定では、天然型のみが活性を示し非天然型が不活性であった。JA-biotin複合体、JA-dexamethasone複合体は、イネ伸長抑制活性、PAL誘導活性で微弱な活性を示したが、JA-FITC複合体は全ての活性検定系で不活性であった。以上の結果より、JA-FITC複合体以外のJA誘導体はJA結合タンパク質の単離・解析に有用であることが示された。また、合成した誘導体の活性スペクトルが異なることから、それぞれの検定系で異なるタイプの受容体が機能している可能性が示された。
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© 2004 日本植物生理学会
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