日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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プロトプラストを用いた細胞膜と液胞膜水透過率の分離評価手法の開発
*村井 麻理桑形 恒男
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p. 370

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抄録
 植物の細胞体積の80%以上は液胞で占められており、細胞質は細胞膜と液胞膜の間に挟まれた狭い空間に位置している。細胞膜と液胞膜には、タイプの異なる水チャネルが発現しており、これらの水チャネルが、両膜の水透過をそれぞれどのように調節制御しているのか、水分生理に果たす役割が注目されている。例えば、細胞質水分量の安定化のためには液胞膜の水透過率が細胞膜より十分高いことが必要、との推測がある。しかし、細胞レベルでの検証はこれまで困難だった。そこで本研究は、プロトプラストを対象とした、細胞膜と液胞膜水透過率の分離評価手法の開発を目的とした。プロトプラストは、内外の浸透ポテンシャル差に応じて膨張・収縮し、その速度は細胞膜と液胞膜両方の水透過率を反映している。そこで、プロトプラストの膨張・収縮プロセスを観察し、これを再現する数値モデルを考案した。さらに、プロトプラストから単離した液胞単独の膨張・収縮速度を計測して液胞膜の水透過率を求め、その値をモデルに代入することにより、細胞膜の水透過率を求めた。
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© 2004 日本植物生理学会
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