日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

マングローブから得られた新奇耐塩性強化因子「マングリン」のプロモーター解析
*山田 晃世藤原 潤堤 功一三村 徹郎小関 良宏
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 375

詳細
抄録
 演者らはヒルギ科マングローブ植物の一種である Bruguiera sexangula の耐塩性機構を遺伝子レベルで解明するために、大腸菌を用いた機能スクリーニング法で大腸菌の耐塩性を強化するタンパク質をコードするcDNAの探索を進めてきた。このスクリーニング法で既に単離された新奇耐塩性強化因子「マングリン」は大腸菌の他、タバコ培養細胞の耐塩性を向上させる機能を有することが既に確認されている。一方、B. sexangula 懸濁培養細胞におけるマングリンmRNA の含量は極めて高く、塩ストレスに応答してその発現量が増大することも確認されている。このことから、マングリンだけでなく、そのプロモーター領域も耐塩性植物を作出するための有用なツールになると期待できた。そこで本研究では、マングリン及びマングリン周辺領域をコードするゲノムDNAのクローニングを試みた。PCRにより得られた配列を解析した結果、マングリン遺伝子には2つのイントロンが含まれている事が確認された。また、そのプロモーター上流域には、4つのW-box likeのエレメントの存在が示唆された。そこでさらに本研究では、マングリンプロモーター領域のデリーションクローンとレポーター遺伝子(GUS)を繋いだベクターを作成し、これらをタバコに導入して、得られた形質転換体におけるプロモーター活性の解析を試みた。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top