日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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sink-limit状態に置かれたサツマイモ葉からのRubisco活性阻害物質の精製-2
*井堀 信行岩船 美都橋本 尚樹葛西 身延澤田 信一
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p. 534

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抄録
Sink-limit状態でのサツマイモsource-sinkモデル植物の光合成CO2固定速度低下はRubiscoに活性阻害物質が結合することに主に起因し、その物質は既知のRubisco活性阻害物質と同様に糖リン酸であると示唆された(岩船ら2002年度学会)。我々はsink-limit状態にあるサツマイモ葉のextract中に含まれるこの阻害物質を活性化したRubiscoに結合させて回収するという方法を試み、昨年度には糖リン酸分析用のHPLC上で単一のピークが得られるまでの精製が可能であることを示した(2003度学会)。
しかし、サツマイモ葉の中に多量に含まれるフェノール性物質がRubisco活性を阻害し、そのことによりRubiscoと阻害物質の結合が阻害されるため、フェノール性物質除去をPVPP、charcoalを用いて試みた。また、HPLC上で単一のピークが得られるまでに精製した阻害物質について、カルバゾール硫酸法でそのペクチン含量を調べたところ、多量に含まれていることが分かった。このことにより、精製された阻害物質はイオン化しにくい状態となっており、NMRやGAS MASSなどでの質量分析の妨げとなっていることが分かった。以上のようなことから、HPLC上で単一ピークの物質の精製は出来たが、その中にはまだ様々な物質が混入していることが分かった。目的とする阻害物質を高純度で得るために、混入物が何であるのか、またその除去方法について検討中である。
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© 2004 日本植物生理学会
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