日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける葉肉細胞の並層分裂制御の基礎解析
*成田 典之堀口 吾朗塚谷 裕一
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p. 540

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抄録
植物の葉は薄く平坦であるが、2次元的な広がりだけでなく、ある程度の厚さも持っている。葉の厚さを決める要因は、葉肉細胞や表皮細胞の形状や大きさ、葉肉細胞の層数である。シロイヌナズナでは酸素濃度の低下、ポプラでは二酸化炭素濃度の増加、シロザでは強光により、葉肉細胞の層数が増加することが報告されているが(Ramonell et al, 2001; Oksanen et al, 2001; Yano and Terashima, 2001)、その詳細な分子メカニズムは明らかになっていない。今回、シロイヌナズナの葉肉細胞の厚さが変化する突然変異体を単離するために、レーザー変位センサを用いた葉の厚さ測定装置を作成した。これにより、我々の栽培・測定条件では、C24野生型の葉の厚さは115±33μmというレベルで再現性よく測定される。
この装置によるスクリーニングの過程で、葉肉細胞の層数が増加する突然変異体N374を単離することができた。N374は葉肉細胞の層数が増えるだけでなく、細胞サイズや葉の面積の減少が見られる。細胞のサイズが減少することから、層数の増加と葉の厚さの増加は一致しない。この突然変異体を解析することで、葉肉細胞の並層分裂の制御の一端を解明できると期待できる。本大会では、N374における最新の解析結果を報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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