日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの葉の形成過程におけるAS1とAS2タンパク質の機能
石川 貴章相馬 徹平上野 宜久岩川 秀和平野 美奈子小島 晶子町田 泰則*町田 千代子
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p. 544

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抄録
高等植物の葉は、茎頂メリステムから発生分化する扁平で左右相称的な器官である。葉の形態形成の分子機構を明らかにするため、我々は葉の左右相称性と扁平性に異常があるシロイヌナズナのasymmetric leaves1 (as1) とasymmetric leaves2 (as2) 変異体を解析してきた。その結果、AS1AS2は、左右相称性の中心としての中肋の発達と、葉におけるClass 1 knox ホメオボックス遺伝子群(未分化細胞の維持に関わっていると考えられているBP/KNAT1, KNAT2, KNAT6)の発現抑制に関わり、側生器官の中心軸形成をになっていると考えられた。AS1 は、MYB repeats を持つタンパク質であり、AS2は、cysteine repeats と leucine zipper 様配列からなる新奇なドメイン(AS2ドメイン)構造を持つAS2ファミリーのメンバーであること、またyeast two hybrid 系とin vitroでは相互作用することがわかっている。今回、in situ hybridization によるAS1AS2の発現解析の結果と、AS1とAS2のタンパク質レベルでの解析結果について報告する。また、遺伝学的組織学的解析からAS2が葉の発生過程においてAS1依存的に葉原基の向軸側の細胞増殖の制御に関わっていることが示唆されたので報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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