日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサ根粒PEPC酵素の機能解析
*野村 美加藤井 美帆劔持 隆文畑 信吾田島 茂行
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p. 568

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抄録
ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)はC4植物の葉肉細胞でHCO3-を炭素固定しホスホエノールピルビン酸からオキサロ酢酸を生成する酵素である。この酵素はC4光合成回路の1つとしてよく知られているが、マメ科植物の根粒でも高いPEPC活性を示す。ミヤコグサの各器官のPEPC活性を測定した結果、葉に比べ根粒で約100倍高いPEPC活性を示した。我々は、根粒のPEPC機能解析を目的としてカリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーター領域下流にLjppc1cDNA遺伝子をセンスに連結させたLjpcと、アンチセンスに連結させたaLjpcのコンストラクトをアグロバクテリウム法によりミヤコグサに導入した。遺伝子導入が確認できた個体(Ljpc:25個体、aLjpc:29個体)からは種子(T1)を採取した。Ljpcミヤコグサ種子100粒重は、非形質転換体の100粒重に比べ、70-80%であったのに対し、aLjpcでは50-70%だった。形質転換体根粒のPEPC活性は、T1種子をハイグロマイシンの含む培地で発芽させた後根粒菌を感染させ感染後3週間目の根粒を用いて測定した。その結果、LjpcミヤコグサのPEPC活性は非形質転換体のPEPC活性の値とあまり大きな差はみられなかったが、aLjpcミヤコグサでは非形質転換体に比べ8-10倍減少していた。根粒でPEPC活性が低かったaLjpc個体とPEPC活性が高かったLjpc個体の表現型の違いについて報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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