日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オオムギにおける3つのイソアミラーゼ遺伝子の発現特性とサブユニット構成の解析
*菱沼 理恵小松 晃一ノ瀬 靖則岩橋 由美子加藤 常夫小前 幸三
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p. 601

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抄録
 デンプンの主要構成成分であるアミロペクチンは、可溶性スターチシンターゼ(SSS)、スターチブランチングエンザイム(SBE)、及びスターチデブランチングエンザイム(DBE)の作用によって合成されることが知られている。特にDBEであるイソアミラーゼ(ISA)とプルラナーゼ(PUL)はマルチプルクラスター構造の構築に必要不可欠であるとされている。本研究ではオオムギDBEのうちISAに着目して特性解析を行っている。
 ISA遺伝子はトウモロコシやジャガイモなどにおいて3種類存在することが知られている。今回は、これまでに同定されている2つのオオムギISA遺伝子(HvISO1, HvISO2)に加え、オオムギISA3遺伝子ホモログをRT-PCRおよび3’、5’RACE法を用いて単離した(HvISO3)。発現解析の結果、HvISO3はこれまでに同定されているHvISO1および2とは異なっており、緑色組織、特に若葉で強く発現していた。しかし、胚乳組織ではほとんど発現していないことが明らかになった。このことから、HvISO3は他の2つのHvISOとは異なる発現特性を有する遺伝子であることが考えられる。現在、3つのHvISO由来のタンパク質と、組織別に発現するイソアミラーゼ分子のサブユニット構成との関連性について解析を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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