抄録
マメ科植物は土壌細菌である根粒菌と相互作用を行って根粒という特殊な器官を形成し、共生窒素固定を行う。その過程を支配する植物側の因子を明らかにするため、マメ科のモデル植物ミヤコグサを用いて、培養細胞からの再生個体より、根粒菌との共生変異体の単離を行った。各変異体について戻し交雑後、遺伝分析を行ったところ18系統において3:1の分離比を示したことから、1遺伝子支配の劣性変異であることが明らかとなった。各系統について、目視による根粒形成の有無の観察に加えて、lacZラベル根粒菌を用いた感染過程及び、菌根菌感染の観察を行った。また、GifuとMiyakojima間の交配を行い、かずさDNA研で開発されたDNAマーカーを用いて遺伝地図上への位置づけを行った。近傍に位置づけられた変異体同士は相補性試験を行って、遺伝子座の関係を判断した。その結果、現在までのところnod-myc-1遺伝子座1系統、nod-myc+1遺伝子座4系統、fix-あるいはhist-myc+4遺伝子座8系統が確認された。