日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコのSAR誘導における低分子量Gタンパク質NtRac3の機能
*加藤 丈幸吉崎 文質小林 一成
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p. 638

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抄録
我々は、低分子量Gタンパク質NtRac3過剰発現タバコ(OE-Rac3)では、SA感受性の増高および病原菌(Pseudomonas syringae pv tabaci)接種により迅速なサリチル酸(SA)蓄積およびPR-1遺伝子発現が誘導されることを既に示した。NtRac3の機能をさらに検討するため、ドミナント・ネガティブNtRac3形質転換体(DN-Rac3)に病原菌を接種し、PR-1遺伝子の発現と病原菌の増殖を経時的に検討した。この結果、DN-Rac3ではPR-1遺伝子発現が遅延するとともに、有意に速い細菌増殖が認められた。以上のことから、NtRac3はSAの下流におけるシグナル伝達を調節する制御因子であると考えられた。さらに、下位葉に非病原菌(P. s. glycinea)を接種し、上位葉におけるSA蓄積および酸性PR遺伝子の発現を経時的に調べ、OE-Rac3におけるSAR誘導を野生型のSR-1と比較した。この結果、SR-1には接種96時間後までいずれの応答も認められなかったのに対し、OE-Rac3では接種24時間後には既に上位葉におけるSAの蓄積およびPR-1遺伝子の発現が確認された。このことからOE-Rac3では、SAR応答が増高していると考えられた。現在、OE-Rac3のSAR応答増高が単にSA感受性に依存するのか、あるいは他の全身因子を介しているのかを検討中である。
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© 2004 日本植物生理学会
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