日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ホウライシダ前葉体で発現する遺伝子の解析
*山内 大輔須藤 慶太鐘ヶ江 弘美堀口 達矢松岡 健福田 裕穂和田 正三
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p. 698

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抄録
 シロイヌナズナ、イネなどの種子植物ゲノムの全塩基配列が既に決定されたが、それに対してシダ植物のゲノムに関する知見は乏しい。これまでに細胞生物学及び分子生物学の手法による光形態形成に関する研究がホウライシダを用いて行われてきた。そこで、これらの知見を活かしたシダのモデル植物としてホウライシダを位置づけるために、その前葉体で発現している遺伝子配列 (EST) を解析した。
 白色光下で培養したホウライシダ前葉体から調製したRNAよりcDNAを合成し、これを均一化した。このcDNAライブラリーより、約10,000クローンの塩基配列を決定した。得られた配列の重複について調べると、4,961クローンは1,541のクラスターを構成し、結果として合計で7,132の独立したESTグループが得られた。このことは、均一化が比較的効率良く行われたことを示している。相同性検索により、既知の遺伝子と相同性を示したものが約1,600 グループ、機能未知の遺伝子との相同性がみられたものが約1,100グループ、残りの約4,400グループは、相同性が全くみられず、新規の遺伝子をコードしている可能性が考えられた。
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© 2004 日本植物生理学会
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