日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ブラシノステロイド情報伝達突然変異体bil2,bpg1の機能解析
*神田 聡美中野 雄司小林 正智関 原明作田 正明篠崎 一雄吉田 茂男浅見 忠男
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 739

詳細
抄録
ブラシノステロイドは細胞伸長と細胞分裂の制御など、高等生物のステロイドホルモン類と共通する機能を持つことが知られている。また光形態形成や葉緑体制御などの植物特有の生長機構調節においても重要な役割を担っていることが明らかにされつつある。我々は、ブラシノステロイド生合成阻害剤Brz存在下での下胚軸の伸長を選抜条件としてEMS変異からbil1、Fast Nuetron変異からbil5を選抜してきている。続いてアクティべーションタギングラインから同様にブラシノステロイド情報伝達突然変異体の選抜を行っている。また、ブラシノステロイド欠損による他の生理作用である葉緑体発達制御や本葉形成促進に関わる突然変異体の選抜も平行して試みており、これらの解析によりブラシノステロイド情報伝達機構の解明を目指している。
 暗所Brz存在下で胚軸が徒長する突然変異体bil2 (Brz-insensitive long hypocotyl2)は、暗所よりも弱光下においてBrz耐性がより顕著であり、また光存在下の成熟bil2ではロゼッタ葉の上偏成長と緑色の低下がみられた。Brz光条件下で緑化が促進されない突然変異体bpg1 (Brz-insensitive pale green1)は、若葉では野生型よりやや薄い緑色を示す程度であるのに各本葉の成熟に従って白化していく形質が特徴的で、成熟個体は明らかな成長阻害を受けていた。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
Top