日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

組換えチューブリン発現系の開発
*矢尾 真樹庄司 翼橋本 隆
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 752

詳細
抄録
植物微小管の動態や安定性を厳密に調べるためには、単一のチューブリンタンパク質のみを大量に精製し、in vitro再構成系を用いて解析する必要がある。生物活性を持つチューブリン二量体の形成には真核生物特有のフォールディング・コファクターが必要であり、大腸菌での大量発現系は使用できない。真核生物での発現・精製系の開発を目的に、本研究ではタバコ培養細胞BY-2におけるチューブリンタンパク質の大量発現系を構築し、組換えチューブリンの精製を試みた。
BY-2細胞を用いた組換えチューブリン発現系の構築のために、シロイヌナズナのΑチューブリンのC末端側にmycタグとHis6タグがタンデムに付いた融合チューブリンをCaMV35Sプロモーターを用いて強制発現させるベクターを構築し、アグロバクテリウムを用いてBY-2細胞を形質転換した。さらに、導入遺伝子の発現量の多い系統を選抜し、主にキレートアフィニティクロマトグラフィーを用いて、BY-2細胞の粗タンパク抽出液から組換えチューブリンを精製しようと検討を重ねている。
また、出芽酵母における植物チューブリンタンパク質の大量発現系の構築も行っている。シロイヌナズナのΑチューブリンとΒチューブリンとを別々の酵母発現用ベクターに組込み、出芽酵母に共発現させ、アフィニティクロマトグラフィーを用いた精製を試みる予定である。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top