日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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高温ストレスによるキュウリの病害抵抗性関連遺伝子の誘導
*久保 深雪佐藤 達雄仲下 英雄吉田 茂男和田 拓治岡田 清孝
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p. 799

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抄録
 植物は、病原体の感染やサリチル酸のようなシグナル伝達化学物質によって、全身獲得抵抗性(SAR)が誘導され抵抗性を示すことが知られている。SARが誘導された植物では、抗菌活性や防御反応にかかわるpathogenesis-related (PR)たんぱく質やフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)の蓄積が起こっていることが報告されている。我々は、キュウリに2分間45°Cの浸漬処理を行い、高温ストレスを与え、PR8及び9遺伝子発現の定量RT-PCRやノザンハイブリダイゼーションによる解析を行った。その結果、高温によってこれら遺伝子が誘導されていることがわかった。また、フェニルプロパノイド経路の鍵酵素遺伝子であるPALの発現も誘導されていることがわかった。さらに、接種試験を行ったところ、高温ストレスを与えたキュウリでは病原体の感染が抑制されることが明らかとなった。また、35°C及び40°Cの処理では抵抗性関連遺伝子の発現は見られなかった。この結果、キュウリでは、45°C高温ストレスによってSARが誘導されることが示唆された。
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© 2004 日本植物生理学会
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