日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ユーカリにおける塩ストレス応答遺伝子群の解析
*石毛 奈緒子近藤 啓子古城 敦日尾野 隆
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 810

詳細
抄録
我々は、樹木にマルチストレス耐性を付与することを目的として研究を進めている。
昨年度の本大会で、シロイヌナズナ由来のrd29A遺伝子のプロモーター領域とストレス応答制御遺伝子の1つであるDREB1A遺伝子から構築されたストレス耐性付与遺伝子をユーカリに導入し、ストレス耐性が向上することを報告した。しかしながら、rd29A遺伝子のプロモーターはユーカリに導入した場合、発現が非常に弱いことが明らかとなった。そこで、遺伝子組換えによる実用的なストレス耐性ユーカリを作出するために、ユーカリにおける効果的なストレス応答プロモーターを獲得することを試みた。
本研究では、塩ストレス処理区と無処理区においてサブトラクション法により塩ストレス応答遺伝子群を選抜すると共に、別に作製した各々の処理区由来cDNAライブラリーから任意のクローンを大量解析した。その結果、塩ストレス処理時において特異的であって、かつ検出頻度が高いcDNAクローンを3種、単離した。これらは既知データベース検索により、デハイドリンをコードする遺伝子、機能不明の塩ストレス応答遺伝子であることが示された。これら3種のユーカリ遺伝子についてストレス応答時の発現差異を認めたので、その結果を報告する。
 尚、本研究は独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構、生物系特定産業技術研究支援センター、新事業創出研究開発事業からの支援を受けて行っている。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top