日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

宿主特異的毒素生産菌に対する植物免疫の成立機構
*秋光 和也大谷 耕平山崎 祐未子五味 剣二多々納 智佃 晋太郎山本 弘幸
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. S012

詳細
抄録
カンキツleaf spot病菌(Alternaria alternata rough lemon pathotype)の生産するACR毒素とラフレモン間の宿主特異的相互反応は、ACRS (ACR-toxin Sensitivity gene)というカンキツミトコンドリアゲノム遺伝子に支配されている。本遺伝子はACR毒素に非感受性・感受性のカンキツミトコンドリアゲノムの双方に存在し、その配列には点変異もない。カンキツにおけるACR毒素感受性はACRSの存在・不在では決定されず、ACRS遺伝子転写物のprocessingの有無により決定されていた。次に、宿主特異的毒素に非感受性のカンキツに毒素生産菌を接種して抵抗性を誘導した葉から調製したcDNAと, 無処理葉から調製したcDNAを用いてsubtractive PCRを行い, 抵抗性誘導下でより強く発現する遺伝子の探索を試みた。得られた500クローンの配列を解析した結果, 約6%のクローンが抵抗性に関連すると既に報告されている遺伝子と相同性を示し, 約10%は病原菌以外のストレス応答性関連遺伝子と相同性を示した。これらの中の幾つかの遺伝子の各種ストレス下での発現様式について、さらに揮発性物質のvapor処理による誘導様式について解析を進めた。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top