日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ナショナルバイオリソース ミヤコグサ・ダイズ
*明石 良
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p. S060

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抄録
 ミヤコグサは,野生の多年生マメ科植物で,ゲノムサイズが小さく(443Mb),ライフサイクルが短いなどの特徴からダイズ等のマメ科の作物にとってモデル植物となることが期待されている。これまで,国内に自生する野生系統が多数収集され,EMS変異体や培養特性の優れた実験系統等が多数開発されてきた。ミヤコグサがモデル植物として世界のマメ科植物のゲノム研究をリードするには,多様なリソースの収集・保存と提供を効率よく推し進めるシステムの確立が不可欠である。また,ミヤコグサリソースとその情報を最大限に利用するには,その恩恵の最大の受給者であるダイズのリソースを合わせて整備することが肝要である。ミヤコグサで収集・開発されるリソースとその情報は,根粒菌との共生による収量性の改良や栄養機能性の向上等,ダイズにおける多種多様な研究の効率化を図る上で欠かせない。また,ダイズの多様な研究がミヤコグサのリソースの整備や開発研究の多様化と方向性に強く影響を与えるのも事実である。わが国は,野生から栽培に至るダイズ遺伝資源の宝庫であるが,それらが整備され,多様な研究分野に安定的に提供されるならば,ダイズ研究の国際競争力の強化にもつながる。
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© 2004 日本植物生理学会
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