日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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転写因子GAMYB及びGAMYB-likeの機能とmicroRNAによる制御
*辻 寛之上口(田中) 美弥子芦苅 基行北野 英己松岡 信
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p. 031

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抄録
GAMYBは当初オオムギ胚乳においてジベレリン(GA)依存的にα-amylaseを活性化させる転写因子として見いだされ、現在までにその生化学的な特徴が精力的に解析されてきた。発表では、GAMYB及び類似のドメインを持つGAMYB-likeタンパク質両者の植物生長に対する機能やその制御について報告する。私たちは、GAMYB及びGAMYB-like遺伝子のmRNA配列中に、microRNAの一つmiR159の標的部位を見いだした。miR159を過剰発現する形質転換イネを作成したところ、これらの遺伝子のmRNAが減少し、gamyb変異体と同様の表現型及びそれよりシビアな表現型が花の形成や節間伸長において観察された。これらの結果から、GAMYB及びGAMYB-like遺伝子は共に花の形成および節間伸長に必須であり、これらの発現はmiR159による制御を受けていることがわかった。次いで、胚乳におけるこれらの遺伝子の機能を調べるため、gamyb変異体の胚乳を用いたマイクロアレイ解析を行ったところ、変異体ではほぼすべてのGA応答性遺伝子の発現がGAに応答出来なくなっていた。この結果から、花や節間と異なり、胚乳ではGAMYB単独でほぼすべてのGA応答性遺伝子を直接・間接に制御していることが明らかとなった。
本研究の一部は生研機構の支援を得て行った。
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© 2005 日本植物生理学会
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