日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Rubisco大サブユニットを部位特異的に分解する葉緑体プロテアーゼの精製と同定
*和田 慎也石田 宏幸牧野 周前 忠彦
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p. 046

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抄録
 私たちは、暗所に静置したコムギ葉緑体の破砕液において、Rubisco 大サブユニット(LSU)がPhe40-Arg41間で切断され44 kDa の分解断片を生ずることを先に報告した(Kokubun et al., Plant Cell Physiol., 43, 1390-5, 2002)。本研究では、このLSUの分解を担う葉緑体プロテアーゼの精製と同定を目的とした。
 分解を担うプロテアーゼ活性を特異的に検出するために、LSUの切断部位周辺のアミノ酸配列をもとに消光性蛍光ペプチド(Nma-LAAFRVSK(DNP)rr-NH2)を作成し、これを基質として用いた。ホウレンソウの新鮮重500 g から可溶性タンパク質を抽出し、硫安分画に続き、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びゲルろ過により、最終的に15 μg の精製タンパク質を得た。最終精製画分のプロテアーゼ活性はEDTAやo-phenanthrolineによって抑制された。SDS-PAGEの結果、この画分には2種類のポリペプチド(MW 80 kDa, 103 kDa)が存在したため、これらを単離した後、それぞれの部分アミノ酸配列を決定した。そのうち103 kDa のポリペプチドの内部アミノ酸配列は、シロイヌナズナでその存在が知られている金属プロテアーゼの一つとその配列において一致した。
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© 2005 日本植物生理学会
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