日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミトコンドリア局在性イネインベルターゼ遺伝子の単離と解析
*村山 誠治半田 裕一
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p. 047

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抄録
インベルターゼは、スクロースをグルコースとフルクトースに加水分解する酵素である。インベルターゼには多数のアイソフォームが存在し、反応の至適pHによって細胞壁や液胞に局在する酸性インベルターゼと細胞質に蓄積される中性あるいはアルカリ性インベルターゼとに分類されている。我々は、RT-PCRを用いてイネから新規の中性インベルターゼ(OsNInv)cDNAクローンを単離した。OsNInvタンパクの推定アミノ酸配列は、他の植物の中性・アルカリ性インベルターゼと高い相同性を示した。Semi-quantitative RT-PCRによりOsNInv遺伝子の発現を調べた結果、OsNInv遺伝子の発現量は非常に低く、また、組織特異性も見られなかった。3種類の予測ソフト、Predotar、TargetP、PSORTを用いてOsNInvタンパクの細胞内局在を予測した結果、非常に高い確率でOsNInvタンパクがミトコンドリアへ輸送されることが示された。そこで、OsNInvアミノ末端領域と緑色蛍光タンパク質(GFP)を結合させた融合タンパク質の一過的発現実験を行った結果、融合タンパク質が効率よくミトコンドリアへ輸送されることを見いだした。以上の結果は、OsNInvアミノ末端領域がミトコンドリアターゲティングシグナルとして働いており、OsNInvタンパクがミトコンドリアに蓄積していることを示唆している。
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© 2005 日本植物生理学会
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