日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Core (RC-LH1) 複合体におけるバクテリオクロロフィルからカロテノイドへの三重項励起移動
*曽我部 博赤羽 準治小山 泰
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p. 062

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抄録
共役二重結合数nの異なる3種類のカロテノイドを持つ紅色光合成細菌, Rhodobacter (Rba.) sphaeroides 2.4.1 (n = 10), Rhodopseudomonas acidophila 10050 (n = 11), Rhodospirillum rubrum S1 (n = 13) のCore (RC-LH1) 複合体をそれぞれ単離した。LH1のBChl aのQy吸収帯を励起して、可視領域のサブマイクロ秒時間分解吸収スペクトルを測定した結果、3つのシグナルが現れた。そのうち長寿命な成分はバクテリオクロロフィルのカチオンラジカルであると考えられる。残り2つはカロテノイドの三重項状態のTn ← T1吸収に特徴的な過渡吸収をもっており、短波長側の過渡吸収はカロテノイドの共役鎖長に依存性を示し、かつLH2アンテナ複合体で得られた過渡吸収と波長が一致している事からLH1アンテナ複合体のカロテノイド由来であると考えられる。長波長側の過渡吸収は、光反応中心のカロテノイド由来のものと推測されるが、Rba. sphaeroides 2.4.1の光反応中心のスペシャルペアを励起して測定した同様のスペクトルにはカチオンラジカルしか現れなかった。励起状態のダイナミクスについては現在解析中である。
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© 2005 日本植物生理学会
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