抄録
カイコガの前運動中枢であるLAL-VPCは,フェロモン受容時の定位行動指令を生成している.この部位のニューロンの生理応答・形態は同定されており,これらをもとにLAL-VPCをニューロンレベルでモデル化することを目指している.本研究ではこのモデルに必要なニューロン間の主な情報伝達経路を推定する.そのためここでは,左右のLAL-VPC各5領域に対して活性度を定義し,その時間変化が,実験的に既知の個別ニューロンの生理応答とコンシステントに決まるような結合強度を求めることで,主な情報伝達経路を推定する.