日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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加圧凍結/電子線トモグラフィー法によるタマネギ子葉表皮の間期表層微小管端の構造解析
*峰雪 芳宣唐原 一郎L. Andrew Staehelin
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p. 160

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抄録
 植物の間期微小管は、細胞表層の色々な所から突然形成を開始する。また、一旦形成が始まると、形成開始端はそこに留まらず、微小管の両端で伸長、短縮が繰り返されることが、最近のGFPを使ったライブイメージングから明らかになっている。しかし、微小管端の電子顕微鏡レベルでのダイナミックな構造変化についてはほとんど分かっていない。そこで本研究では、加圧凍結したタマネギ子葉表皮細胞の微小管を2軸電子線トモグラフィー法(3Dで約7nmの分解能)で解析を行った。その結果、ほとんどの間期の微小管端は閉じて(キャップされて)なく、その形態的特徴からプロトフィラメントが1本1本ほぐれ、外側に湾曲している湾曲端(coiled end)、プロトフィラメントがシート状になって開いている端(open sheet)、平らで尖っていない端(blunt end)等が区別できた。一方、頻度は少ないが、微小管端がγチューブリン・リング複合体の様な構造でキャプされているものが存在していることが分かった。キャップ端は、単独で存在するものと、他の微小管に沿って存在し、あたかも微小管が枝分かれしている状態のものが見つかった。これらの電子顕微鏡レベルでの微小管端構造は、植物の間期表層微小管の形成開始とその後のダイナミックスを反映していると考えられた。
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© 2005 日本植物生理学会
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