日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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時間分解蛍光分光法による藍藻Arthrospira platensisの光環境適応の観測
*秋本 誠志横野 牧生濱田 文哉勅使河原 彩香藍川 晋平近藤 昭彦
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p. 0311

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抄録
光合成生物には集光性アンテナ色素タンパク質複合体が存在し、生育環境に存在する様々な波長の光を吸収して、光誘起電子移動反応の起こる反応中心へと励起エネルギーを伝達する。酸素発生型光合成生物の中で最も始原的な藍藻は、光捕集アンテナ複合体としてフィコビリゾームを持つ。フィコビリゾームは、クロロフィルでは吸収できない可視領域の光を吸収し、クロロフィルにエネルギーを伝達する機能を持つ。
本研究では、様々な光環境下で培養した藍藻Arthrospira (Spirulina) platensisについて、ピコ秒時間分解蛍光分光法により励起緩和ダイナミクスの観測を行った。光環境の違いによって生じる光捕集過程やエネルギー移動過程(フィコビリゾーム内エネルギー移動、フィコビリン→クロロフィルエネルギー移動、クロロフィル間エネルギー移動)の変化について、藍藻A. platensisの光環境適応の観点から議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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