日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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クワ皮層柔細胞に冬季特異的に蓄積する蛋白質WAP27の長期凍結下での凍害保護活性
*長尾 学宇梶 徳史竹澤 大輔荒川 圭太藤川 清三
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p. 221

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抄録
 ヤマグワ(Morus bombycis)の皮層柔細胞の耐凍性は夏季に。比べて冬季に大幅に上昇することが知られている。これまでにヤマグワの皮層柔細胞内のERにGroup 3 LEA蛋白質である分子量27-kDaのWAP27蛋白質 が冬季特異的に蓄積することがわかっている。
 植物は野外では一定範囲の凍結温度下に長く置かれる。特に氷点に近い凍結温度下では低温や脱水のみでなく、未凍結溶液中の塩類濃縮に長期間さらされる。そこでWAP27の耐凍性における機能を知るために一定の凍結温度で長期間保持した凍結感受性蛋白質、乳酸脱水素酵素(LDH)に対する組み替えWAP27(rWAP27)凍害保護活性を調べた。rWAP27を添加し-2、-4、-10、-20℃で長期間保持したLDHはすべての凍結温度で80%以上の高い活性を維持した。それに対し牛血清アルブミン(BSA)は、-20℃ではrWAP27と同等の保護活性を維持したが、-2、-4℃では凍結時間に依存して活性が低下する傾向が見られた。卵白アルブミン(Ovalbumin)ではすべての凍結温度で活性が経時的に低下した。今回の結果からrWAP27は長期凍結下で凍結感受性蛋白質に対し、他の凍結保護物質より高い保護活性を持つことが明らかになった。
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© 2005 日本植物生理学会
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