日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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黄色植物多核細胞フシナシミドロで見つかった新奇青色光受容体
*片岡 博尚高橋 文雄山形 大輔笠原 賢洋和田 正三
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p. 251

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抄録
 黄色植物(Stramenopile)に属する多核細胞フシナシミドロ(Vaucheria)は青色光(BL)の強度に依存して正,または負の光屈性を示す.また,細胞基部にBLが照射されると,照射領域の中央に新たに成長点が誘導形成される.前者は数分で起こるが,後者は 1-2時間以上のBL照射を必要とする光形態形成反応で,BL照射域への葉緑体集合,引き続く核と原形質の集合,および,集合核による新規の遺伝子発現からなっている.
RT-PCRを用いて陸上植物の光屈性の受容体フォトトロピン(phot)のLOV2のオルソログをオカフシナシミドロ(V. frigida)で探索し,5個のLOV領域を含む断片を得た.それらをクローン化し,発現量の多い2個のcDNAの全長を3' および 5'RACE法を用いて決定した.これらは約350個のアミノ酸でできており,1個のbZIPと1個のLOVを持つ,互いによく似たタンパク質をコードしていた.しかし,期待したphotは見つからなかった.これら2種のタンパク質を586と592と仮称する.586のLOVドメインをE.coliで発現させるとFMNを結合したが,592は結合しなかった.GFPとの融合コンストラクトをタマネギ表皮細胞に打ち込み発現させると,共に核に局在したので,586と592は転写制御因子として働くBL受容体と考えられる.しかし,フシナシミドロでは35Sプロモータが働かず,GFP融合タンパク質は検出できなかった.現在,RNAiを用いてこれらの遺伝子がどのBL反応を制御しているかを調べている.
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© 2005 日本植物生理学会
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