日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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スペルミンシグナル伝達経路におけるタバコZFT1遺伝子の解析
*上原 由紀子高橋 芳弘トーマス ベルベリッヒ宮嵜 厚松井 恭子高木 優草野 友延
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p. 276

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抄録
ポリアミンは、植物の生長や分化に寄与するばかりでなく、高浸透圧、塩、低酸素、低温、病原体感染など様々なストレス応答にも関与していることが知られている。我々は、ポリアミンの1つであるスペルミン(Spm)が、病原体に対する防御応答の際にシグナル分子として機能することを示した。Spmは細胞内へのカルシウムの流入と活性酸素種の発生を引き起こし、ミトコンドリアの機能不全を引き起こしそのシグナルを下流に伝え、感染防御に寄与すると予想される遺伝子群の発現を誘導すると考えている。今回、我々はこのSpmシグナル伝達系で機能する転写因子をコードする遺伝子の探索を試みた。その結果、Spm応答性遺伝子の一つとしてジンクフィンガー型のタンパク質をコードする遺伝子ZFT1を単離した。ZFT1の発現はサリチル酸(SA)、ジャスモン酸、エチレンでは誘導されずに、Spmによってのみ特異的に誘導され、また抵抗性遺伝子(N遺伝子)を持つタバコ葉をタバコモザイクウィルスで処理すると、ZFT1の発現が誘導された。両系でのZFT1の発現誘導はSAに依存しなかった。薬理学的な手法により、ZFT1はSpmシグナル伝達経路においてミトコンドリアの機能不全の下流に位置する事を明らかにした。ZFT1タンパク質の機能解析の結果を踏まえ、ZFT1のSpmシグナル経路での役割を考察する。
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© 2005 日本植物生理学会
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