日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの根における水動態は周囲の光環境と概日時計によって影響を受ける
*高瀬 智敬石川 春樹鈴木 均
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p. 298

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抄録
アクアポリンは水の輸送に関わる水チャネルタンパク質であり、シロイヌナズナのゲノムには三十以上のアクアポリン遺伝子が存在している。これまでに我々は植物の幹や茎を透過した光が根に伝送されること、そしてシロイヌナズナの根では遠赤色光の照射により複数のアクアポリン遺伝子の発現量が減少することを明らかにしている。水の輸送に関わるアクアポリン遺伝子の発現量が光シグナルによって制御されていることから、根の水輸送は外界の光環境によって影響を受けることが予想される。そこで明暗サイクル下でのシロイヌナズナ実生の根における水動態を1H-NMRイメージングによって解析したところ、根の水分量は明期で少なく暗期で多いことが確かめられた。明期と暗期を逆転させた条件でも同様の傾向が見られたことから、根の水輸送は外界の光環境によって影響を受けることが示唆された。さらに明暗サイクル下で育てた実生を連続明、あるいは連続暗条件下に移しても根の水分量が周期的な変動を示したことから、根の水輸送は概日時計による影響も受けると思われる。またこれら条件下では、胚軸の近くで明らかな水分量の変動が観察されたが、根端側ではそのような応答性が見られないことから、組織の発達が水輸送に及ぼす影響も確認された。現在は明暗サイクル下でのアクアポリン遺伝子の発現量の変動について解析を進めているので、それについても併せて報告したい。
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© 2005 日本植物生理学会
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