日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ登熟初期の高温により種子中のタンパクが受ける影響の品種間差異
*清 則子中泉 徹洋高田 昭石崎 和彦福山 利範三ツ井 敏明
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p. 367

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抄録
イネ登熟期の高温は乳白米などのデンプン蓄積に関する登熟障害を引き起こす。我々は、この高温登熟障害の発生メカニズムの解明を目的として研究を進めている。今回は、6種類のイネ品種について、登熟期の高温処理による高温登熟障害の発生割合並びにα-アミラーゼおよびADP-Glucose分解酵素NPPaseの活性変動、タンパク発現変動、タンパクの酸化状態の変化を比較検討した結果について報告する。α-アミラーゼとNPPaseは比較的熱に強く、高温下においてデンプン蓄積に影響を与える可能性がある。開花後4,11,13日目でα-アミラーゼとNPPaseの酵素活性を比較したところ、高温登熟障害の発生割合が高い品種ほど活性が高いことが分かった。1次元 (SDS-PAGE) および2次元 (Reverse-IEF, SDS-PAGE) 電気泳動法でタンパク質を分離し、MALDI-TOF-MSを用いて網羅的に発現タンパク質を同定したところ、解糖系、活性酸素消去系、シャペロニンなどの発現が高温の影響を受けることが分かった。さらに、タンパクのカルボニル基に結合するビオチン誘導体biotinhydrazideを用いてタンパクの酸化状態を解析した結果、高温登熟障害の発生割合の高い品種では高温処理によって品種特異的にタンパク質が酸化されることが見いだされた。高温登熟障害の発生メカニズムに関与する要因について議論したい。
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© 2005 日本植物生理学会
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