抄録
ラン藻にはRRMタイプのRNA結合ドメインを1つもつRNA結合タンパク質(Rbp)ファミリーが存在している。Rbpは低温で蓄積すること、また細菌に普遍的に存在するCold Shock Protein (Csp)ファミリーをラン藻はもたないことから、RbpがCspに相当すると考えている。我々は単細胞性ラン藻Synechococcus PCC6301株から単離した2種類のrbp遺伝子(rbp1、rbp2)の発現と機能の解析を行い、rbp1は低温誘導性で低温下での生育に必須であることをこれまでに明らかにした。Synechococcus PCC6301の全ゲノム解析の結果、rbp3を見い出した。Rbp3タンパク質は142残基、Rbp1(107残基)とRbp2(99残基)よりもC末端領域が長い。3種のrbp遺伝子の発現制御の分子機構を明らかにするため、rbp遺伝子のプロモーター領域とバクテリアルシフェラーゼ遺伝子(luxAB)を融合させたレポーター株を作製した。rbp1とrbp3は低温下で発現誘導されるが、rbp2は誘導されないことを明らかにした。しかし、ノーザン解析の結果では低温下で発現誘導されるのはrbp1のみであった。また3種のrbp遺伝子発現は暗所で抑制されることを明らかにした。さらに、rbp1遺伝子の低温条件下における詳細な発現機構をレポーター解析で行ったのでその結果も報告する。