日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物の全身獲得抵抗性誘導と環境ストレス応答のクロストークに関する研究
*安田 美智子浅見 忠男瀬尾 光範久城 哲夫南原 英司神谷 勇治梅沢 泰史篠崎 一雄吉田 茂男仲下 英雄
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p. 382

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抄録
植物の病害防御機構の一つである全身獲得抵抗性(SAR)は、病原菌感染の刺激が全身へと伝達され、サリチル酸(SA)の蓄積を介して全身に誘導される。SARの誘導に及ぼす環境ストレスの影響を調べた結果、シロイヌナズナにおいて、SAR誘導経路上のSAの上流に作用する化合物BITおよびSAの下流に作用するBTHによるSARの誘導をABAが抑制することが明らかになった。したがって、ABAがSARの誘導経路上のSAの上流と下流の両方に作用しSARを抑制することが示された。次に、SAR誘導時のABA関連遺伝子の発現を定量的RT-PCRで解析した。BIT、BTH処理によりSARを誘導した場合には、一部のABA生合成遺伝子とABA応答性遺伝子の発現が抑制された。逆に、環境ストレス処理はSARマーカー遺伝子 (PR-1)の発現を抑制した。また、内生ABA量の少ないaao3突然変異株とABAの代謝酵素CYP707Aの過剰発現株では、BITのSAR誘導効果が増大していた。これらの結果により、ABAを介する環境ストレス応答とSARの間に新たなクロストークが存在することが明らかになった。
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© 2005 日本植物生理学会
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