抄録
ジャガイモ塊茎組織に疫病菌非親和性レース接種またはエリシター処理を施すと,1および9時間後をピークとするオキシダティブバーストが誘導される.このオキシダティブバーストには,植物のNADPH酸化酵素である rboh (respiratory burst oxidase homolog) が中心的役割を担っていると考えられている.ジャガイモ塊茎より抽出した原形質膜画分において活性酸素生成活性が認められることから,活性酸素生成酵素は原形質膜に局在すると考えられてきた.しかしながら,rbohの局在性を明確に報告した例はない.今回,ジャガイモのStrbohAおよびStrbohBに特異的な抗体を作製し,それぞれの局在性を調べたので報告する.ショ糖密度勾配遠心分離法によりジャガイモ塊茎ミクロソーム画分を分画し,免疫ブロット解析を行ったところ,StrbohA,StrbohB両タンパク質ともに原形質膜水チャネルと同じ分布様式を示した.さらに,NADPH依存性の活性酸素生成活性もまたStrbohと同じ分布様相を示し,その活性は好中球NADPH酸化酵素の阻害剤であるDPIにより顕著に抑制された.これらの結果から,StrbohAおよびStrbohBは原形質膜に局在し,オキシダティブバーストを制御することが示唆された.