日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケを用いた概日時計関連遺伝子の解析
*青木 摂之市川 和洋佃 雅史岡田 龍近藤 紗代志水 茜
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p. 442

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抄録
 陸上植物は多様な概日リズムを示す。しかし、そのほとんどは被子植物において観察されたものであり、より原始的とされる裸子植物、シダ植物、コケ植物では、概日リズムの報告は非常にまれであった。我々は、蘚類の一種であり、遺伝子ターゲティングを適用できるヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)を用いて、概日リズムの研究を始めた。現在までに、いくつかの概日発現遺伝子(clock-controlled genes; ccgs)を同定したが、それらは皆、連続暗条件下で減衰型のリズム発現を示すいっぽうで、連続明条件下でアリズミックであった。この特徴は、連続明条件下で多くの場合はっきりしたリズムを示す被子植物のccgsとは対照的である。ccgsのひとつLhcb遺伝子(クロロフィルa/b結合蛋白質をコードする)や、アラビドプシスの「時計遺伝子」のひとつCCA1遺伝子(myb様蛋白質をコードする)のコケ相同遺伝子についての、最近の解析結果について報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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