日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの時計関連PRR遺伝子の各種二重欠損変異体の解析
*中道 範人北 雅規伊藤 照悟佐藤 江里子山篠 貴史水野 猛
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p. 443

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抄録
時計機構は植物が昼夜の変動や季節変化に適応するために重要である。シロイヌナズナの中心振動体の分子モデルとして、Myb型転写因子CCA1、LHYPRR (Psudo Response Regulator) 因子であるPRR1/TOC1との間で形成される正と負の転写制御フィーッドバックループが提唱されている。しかし他のPRR因子(PRR9・PRR7・PRR5・PRR3)の単独変異も概日リズムや開花制御に影響を与えることから、これらPRR因子も時計機構に重要な働きをしているとことが示唆されている。そこで、各種二重欠損株(prr5-11/prr7-11, prr5-11/prr9-10,prr7-11/prr9-10など)を作成し、開花時期制御、胚軸伸長の光感受性、転写の概日リズムといった多面的表現型の解析を行った。その結果、どの二重変異体の解析結果からも、PRR5、PRR7、PRR9が互いに協調的あるいは相補的に機能していることが示唆された。例えば、prr5-11/prr7-11において各種時計制御遺伝子の転写を解析したところ、自由継続リズムにおける著しい周期の短縮や振幅の消失が見られるなど、時計機能の欠損を示す強い相乗的表現型が観察された。これら各種PRR二重欠損変異株の多面的表現型と中心振動体モデルを踏まえ、各PRR因子の時計機構における働きを考察する。
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© 2005 日本植物生理学会
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