抄録
ゲノム解読が進行しているマメ科モデル植物ミヤコグサ(Lotus japonicus)のメタボローム解析は植物に共通な代謝経路の解明とマメ科植物に特有な代謝経路の解明を可能とする。ミヤコグサでは根粒菌との共生シグナルとして根粒形成に関与しているフラボノイド類の蓄積が報告されているが、未だ網羅的な代謝プロファイルは精査されていない。我々はメタボローム解析システムの有力なツールであるイオントラップ型質量分析を備えたHPLCを用いて、フラボノイド化合物を中心に代謝プロファイリングを行った。ミヤコグサの系統B-129‘Gifu’とMG-20‘Miyakojima’の花、葉、茎の各器官でのMeOH抽出物の分析を行った結果、4種類のフラボノールと2種類のアントシアニジンを基本骨格とする各種配糖体が多数類存在することを明らかとした。また、根の成分解析ではDaidzein, Formononetin, Coumestrol等のイソフラボノイド骨格を有する代謝産物が数種存在することが示唆された。フラボノイド配糖体の種類は、品種間および器官別で異なっていた。現在、フラボノイド生合成経路について各器官と品種間との関連について解析している。更に他の質量分析装置(GC-TOF-MS, CE-MS)を用いて、フラボノイド化合物以外の代謝プロファイリングを行っている。