日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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モデル植物トマト(Micro-Tom)とLycopersicon pimpinellifoliumの雑種交配第一世代F1のメタボローム解析
*前田 ふみ鈴木 秀幸柴田 大輔
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p. 476

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抄録
多様な育種資源の中に存在する有用な育種母本の選抜や作出された系統の評価は、育種において重要である。代謝産物のプロファイルは、形、色などと同様に植物の表現型の一つとして考えることができ、我々はこのプロファイルを新たな評価指標とした育種系統評価、選抜の可能性を検討している。矮性で世代時間も短いモデル植物トマトMicro-Tomと、連鎖地図が作成されマーカーも整備されている野生品種(L. pimpinellifolium)を、花粉親を入れ替えて交配し2種類のF1系統を得た。得られた2種類のF1系統と親系統を代謝レベルで明らかにし、統計解析により系統間の関係を調べた。HPLC/PDAでカロテノイド代謝物を分析し、果実質重量あたりのリコペン含量はL. pimpinellifolium がMicro-Tomより高く、2種のF1系統は親系統の中間であることが分かった。果実とβカロテンが蓄積している葉を用いて、常法により抽出し、TMS誘導体化を行い、カロテノイド以外の代謝産物をGC/TOF/MS(ガスクロマト・質量分析)で分析した。2種類のF1系統と親系統から得られた大量のデータについて主成分分析を行ない、それぞれの系統でクラスターを形成していることを示した。
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© 2005 日本植物生理学会
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