日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オートムギ(Avena sativa)のベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子の単離とストレスによる発現の変化
*平田 有希リビングストーン ジェンティンレベッカ樽井 裕平澤 栄次
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p. 555

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抄録
 乾燥や高塩濃度といった環境ストレスに強い数種の植物では、細胞内に浸透圧調節物質としてグリシンベタインを蓄積することが知られている。グリシンベタインはコリンから二段階の酸化反応によって合成され、その経路にベタインアルデヒド脱水素酵素(BADH)が関与する。我々は比較的乾燥に強いオートムギを材料にして、BADHの遺伝子の単離を行い、環境の変化に対する酵素活性の変化とmRNA発現量の変化を調べることにより、環境ストレスにおけるBADHの役割を明らかすることを目指した。これまで報告されている植物のBADH遺伝子間で保存性の高い領域にプライマーを設定して、オートムギのBADH cDNAを増幅した。得られた塩基配列を元にRACE法を行い全長BADH cDNAを得た。RT-PCR法を用いて、遺伝子の発現量を調べたところ、高塩濃度で発現が誘導され、葉よりも根で強く発現が見られることがわかった。また塩以外にも、乾燥やアブシジン酸といった様々な刺激に対して誘導された。また塩処理による誘導は、オートムギの生育状態によって変動することが分かった。遺伝子から予想されるアミノ酸配列から、BADHはカルボキシ末端にSKL(Ser-Lys-Leu)のアミノ酸残基からなるペルオキシソーム移行シグナルをもっており、このことからペルオキシソーム局在の酵素であることが示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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