抄録
陸生ラン藻のなかには、非常に強い乾燥耐性能をもったものがいる。
本研究では、こうしたラン藻の乾燥耐性機構の解明を目指す。
乾燥耐性機構には3つのフェイズがあると考えられており、ひとつは細胞外から脱水していく乾燥過程、2つ目はそれ以上水が抜け切らなくなった乾燥状態、3つ目は再び水がきたときの細胞の回復過程である。
今回は、水生ラン藻であるAnabaena PCC 7120とその類縁株である乾燥耐性な陸生ラン藻Nostoc HK-01を材料として、乾燥過程におけるシグマ因子の遺伝子発現を比較検討した。
Anabaena PCC 7120には推定12個のシグマ因子が存在する。これらシグマ因子はゲノム解析されているNostoc punctiformeやAnabaena variabilisにも、ほぼ共通して存在している。そこで、これらのラン藻のシグマ因子の遺伝子において、それぞれよく保存されている領域をプライマーとして選択し、Nostoc HK-01でのシグマ因子の遺伝子発現を逆転写-PCRで解析した。その結果、それぞれのシグマ因子が特徴的な発現変化を示すことが明らかになった。