日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

道管分化のマスター制御因子VND7と相互作用する新規NACドメインタンパク質の機能解析
*山口 雅利久保 稔福田 裕穂出村 拓
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 690

詳細
抄録
私たちは、植物特有な転写に関与すると考えられるNACドメインを持つVND7 (Vascular-related NAC domain protein 7) を過剰発現させることにより、異所的に道管が形成されることをこれまでに明らかにした。これはVND7が道管分化を誘導する過程で重要な役割を果たしていることを示している。そこで、道管分化におけるVND7の機能を分子レベルで解明することを目的として、VND7と相互作用する因子をtwo-hybrid法により探索した。その結果、新規のNACドメインタンパク質をコードする2種類のcDNAが得られ、VNDIP1, 2 (VND7-interacting protein)と命名した。In vitro pull-downアッセイの結果、VNDIP2はVND7と高い選択性を持って結合していることが示唆された。さらに、VNDIP2の過剰発現体を作成したところ、根においてprotoxylem vesselの形成が抑制された。これらの結果は、VNDIP2もまた道管分化の決定に深く関与していることを示唆している。現在、VND7の過剰発現体との掛け合わせなどを進めており、これらの解析結果と併せて道管形成における2つの遺伝子の役割について考察したい。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top