抄録
オーキシンの信号伝達経路の中心で働くと考えられているAux/IAAタンパク質がブラシノステロイド(BR)の応答に関与しているかどうかを検証した。Iaa7/axr2-1 and iaa17/axr3-3変異体は器官ごとに異なるBR感受性とBR応答性遺伝子発現を示した。Iaa7/axr2-1変異体の芽生えをBRの存在下と非存在下でDNAマイクロアレイを用いて解析したところ、この変異体では野生型と比較して108の遺伝子の発現が上昇しているのに対し、抑制されている遺伝子は8個にとどまった。このことから、IAA7タンパク質が転写の抑制因子として働くだけではなく、活性化因子として働く可能性がある。これらの遺伝子のうち、22%はBR応答性遺伝子であるのに対し、20%がオーキシン応答性遺伝子であり、過半数は両ホルモンに耐性の遺伝子であった。これらの結果から、Aux/IAAタンパク質はBRとオーキシンの両方の信号伝達経路で働き、器官特異的なBR感受性を制御する因子として働いていると考えている。