日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

新規葉緑体包膜局在輸送体(NBAT)のシロイヌナズナにおける発現解析
*古本 強市江 裕美子山口 鉄平泉井 桂
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 803

詳細
抄録
我々はこれまでに新規なC4光合成関連因子を同定する目的でフラベリア属のC3植物とC4植物を用いたトランスクリプトーム解析を行い、C4植物に高発現し新規葉緑体包膜局在輸送体をコードする遺伝子を見出した。当該遺伝子はフラベリア以外にもコメおよびシロイヌナズナゲノム中に1コピーづつ存在し、その生化学的・生理的機能はまったく不明である。この輸送体がC4光合成にどう寄与しているのかを明らかにするために、まずはシロイヌナズナにおけるこの機能を明らかにすることを試みた。
推定転写開始点より約2kbの下流にGUSをつないだコンストラクトをシロイヌナズナに導入し、複数のラインにおいてGUS活性を観察した。これにより幼若期の葉肉細胞において発現するが成熟個体では見出されないことを明らかにした。またノザン解析によって、通常の光条件では検出限界以下であるが、弱光条件下において高く発現することを見出した。これと呼応するように、通常光下で生育させたシロイヌナズナ遺伝子破壊株においては花成遅延表現型以外に顕著な表現型は見出されなかったが、これらを弱光条件下で生育させると葉緑体の機能不全に伴うと推察される著しい生育不良(葉の黄化、植物個体の矮化)を示すことが明らかとなった。これらの結果からその機能は、幼若期または弱光条件下で必要とされ、弱光条件下においては生育に必須なものと考えられる。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top