日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ステロール生合成に関与するP450遺伝子の探索
*森川 智美及川 彰黒田 温子太田 大策和田野 晃
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p. 845

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抄録
酵母のステロール生合成には,CYP51とCYP61の2種類のP450が関与する.CYP51は微生物から高等動物に至るまでのすべての生物種に存在し,ステロールの14位脱メチル反応を,CYP61はergosta 5,7-dienolからergosterolの生成反応を触媒するC-22ステロール不飽和化反応を触媒するP450分子種である.シロイヌナズナの2番染色体には4種のCYP710A遺伝子が存在する.CYP710AとCYP61のアミノ酸配列の比較から,両者の基質認識に関与すると予測される領域の構造がよく保存されていることがわかっている.本研究では,CYP710Aが植物におけるCYP61の機能ホモログとして生理的な役割を担う可能性について検討した.半定量的PCRではCYP710A1CYP710A2は葉,花,鞘で,CYP710A3CYP710A4は葉で特異的に発現が見られた.酵母YPH499株のCYP61欠損株を作製しCYP710A1で形質転換したが,ergosterol合成能の欠損は相補できなかった.次に昆虫細胞発現系において作製したCYP710A組換え融合タンパク質を,β-sitosterolを基質としたP450反応系に供試したが,C-22側鎖不飽和化活性は確認できなかった.今後はCYP710A遺伝子を過剰発現させた植物体と培養細胞を用いてCYP710の基質を同定する計画である.
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© 2005 日本植物生理学会
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