日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネゴルジ複合体プロテオーム:GFP-SYP31標識シスゴルジ膜画分の解析
*朝倉 剛廣瀬 将太片峰 拓紀佐藤 雅彦藤原 正幸島本 功堀 秀隆三ツ井 敏明
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p. 007

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抄録
植物細胞のゴルジ複合体は、糖タンパク質糖鎖および細胞壁多糖の合成・修飾・構築ならびに、分泌・液胞局在型タンパク質の選別など行うための動的で複雑な構造を有している。本研究は、イネゴルジ複合体を高度に精製し、そのプロテオミクス解析を行うことを目的としている。我々は、シスゴルジ膜への局在が明らかにされているGFP-AtSYP31融合タンパク質をイネ培養細胞で発現させ、GFP指標シスゴルジ膜を単離することを試みた。調製したミクロソーム膜をショ糖密度勾配中でフローティングさせることにより、ミクロソーム膜画分よりもGFPの比蛋白濃度が20倍上昇したGFP-AtSYP31標識膜画分を得ることに成功した。この膜画分にはゴルジ IDPaseやER NADPH-Cyt c reductaseの活性は殆ど検出されなかった。得られたGFP/AtSYP-31標識膜画分のタンパク質をSDS-PAGEで分離し、得られたすべてのタンパクバンドをLC-MSMS解析した結果、root hair defective 3や、COP1およびCOP2コートタンパク、YPT3などのsmall GTPaseがゴルジ膜局在タンパク質として検出された一方で、Bipやcalreticulin、Hsp90などのER膜局在タンパク質が検出された。この結果は、シスゴルジとERとの類似性、連続性を示唆している。
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© 2006 日本植物生理学会
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