日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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PS1反応中心のChl a結合部位に結合したChl a'(Chl a epimer)のアンテナ特性
青木 雅之*池上 勇
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p. 019

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抄録
PS1 RC complex(PsaA/B)にはChl類としてはChl aしか結合しておらず、アンテナ色素として機能するChl a’(Chl a epimer)は存在していない。PS1 RCからエーテル処理によってChl aの大部分を除去し、P700当たり10~14分子のChl aおよび1分子のChl a’しか含まない標品を調製した。(1)これにChl a’をリン脂質PGと共に加えて、P700当たり5-10分子のChl a’が結合した標品を得た。(2) P700の光酸化を測定したところ、その量子収率は結合したChl a’の分子数分増加した。また、常温におけるChlケイ光(Fl680)の収率をChlあたりで比較すると、Chl a’の結合により増加することはなかった。即ち、結合したChl a’は抽出されないで残っているChl aとほぼ同等のアンテナ機能を持つことが示された。(3)Chl aとChl a’を同量加えて結合する分子数を比較したところ、Chl a’の結合数が少なく、したがって、Chl a結合部位への親和性がChl aよりやや低いことが示された。(4)エーテル処理によるChl aの抽出率を高めるとChl a’はChl a結合部位へ正常に結合できなくなり、その結果、アンテナ機能は著しく低下することがわかった。
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© 2006 日本植物生理学会
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