日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナを用いた微小昆虫アザミウマによる食害応答に関する解析
*安部 洋大西 純鳴坂 真理鳴坂 義弘津田 新哉小林 正智
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p. 097

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抄録
植物は様々な環境下で生育して行かねばならない。これまでにモデル植物であるシロイヌナズナを用いて、環境ストレス応答や病害ストレス応答に関する様々な研究が行われ、数多くの知見が得られている。特にストレス応答に多くの植物ホルモンが深く関わっていることが詳細に明らかとなり、植物ホルモンの重要性が再認識されるに至った。
一方で昆虫による食害は植物の生育を脅かすもっとも重大な要因の一つであり農業上非常に重要であるにもかかわらず、植物の食害応答のメカニズムについてはあまり分かっていない。今回、我々はシロイヌナズナにおけるアザミウマの食害応答についてAffymetrix社のGeneChipを用いて解析を行った。アザミウマはシロイヌナズナを実験室で生育させている場合、度々問題となる害虫であるが、野菜や果物、そして花等においてもその被害は深刻である。また、アザミウマはウイルス媒介虫でもあり、その防除が望まれている。我々は農業上、特に問題となっているミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)を用いて解析を行なった。Gene Chip解析の結果、シロイヌナズナにおいて多くの遺伝子発現がアザミウマの食害により変動することが明らかとなった。またこの際、サリチル酸やジャスモン酸、エチレンといった植物ホルモンが重要であることが明らかとなったので報告する。
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© 2006 日本植物生理学会
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