抄録
全ゲノム解析が終了したミヤコグサ根粒菌(Mesorhizobium loti MAFF303099)おいて,遺伝子産物の機能解明を目的として酵母two-hybrid法による大規模なタンパク質相互作用解析を行った。相互作用解析には主に宿主であるミヤコグサとの共生窒素固定の過程で機能すると考えられる遺伝子に焦点をしぼり,マクロアレイ解析でバクテロイドおよび低酸素分圧下で発現が誘導されることが示された遺伝子群や共生アイランド内に存在する遺伝子群を対象とした。また,ゲノム解析が終了した他の根粒菌に共通して存在する機能不明の遺伝子産物についても相互作用解析を進めた。これまでに約1000遺伝子についてスクリーニングが終了し, そこから約1200の遺伝子産物からなる1500以上の相互作用の候補が確認されている。その中には2成分制御に関わるタンパク質間の相互作用や窒素固定関連遺伝子と機能未知遺伝子との関係などが見出されている。今後,得られた相互作用の情報に既知情報を反映し,共生に関わる新規遺伝子の探索や遺伝子破壊等によるより詳細な機能解析を計画している。また相互作用解析と並行して,得られた相互作用情報をデータベース化し,根粒菌ゲノムデータベースであるRhizobase (http://www.kazusa.or.jp/rhizobase)と統合し公開の準備を進めている。