抄録
紫外線による主なDNA鎖上の傷として、シクロブタン型ピリミジン2量体（CPD）と（6-4）光産物が知られている。これらUV光産物は複製や転写を阻害し、結果として突然変異や細胞死を引き起こす。高等植物においてはこれらUV光産物を2種類のphotolyaseとヌクレオチド除去修復（NER）によって修復している。また、photolyaseとNERによって修復されなかったUV光産物は相同組換え修復（HR）によって修復されると考えられている。
本研究では、ArabidopsisのAtRad1欠損変異体（uvh1）とAtRad2欠損変異体（uvh3）における染色体内相同組換え頻度を解析した。その結果、uvh1では染色体内相同組換え頻度は抑制され、逆にuvh3では向上していることが明らかとなった。現在CPD photolyase欠損変異体uvr2-1）とuvh1、uvh3を交配し、uvh1/uvr2-1、uvh3/uvr2-1の二重欠損変異体を作成し、これら二重欠損変異体の染色体内相同組換え頻度、UV感受性とチミンダイマーの蓄積について解析を行っており、これらの結果について報告したい。
