日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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登熟期のイネの穂における52Feと62Znの移行の動画
*塚本 崇志中西 啓仁内田 博小楠 智美西山 新吾渡辺 智松橋 信平西澤 直子森 敏
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p. 150

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抄録
鉄(Fe)や亜鉛(Zn)は植物にとって必須な元素であるが、実際の植物生体内でのFeやZnの動態は未解明の部分が多い。特に、登熟期のイネ生体内の金属元素の移行を直接計測した報告はない。ポジトロン放出核種である52Feや62Znの登熟期のイネ生体内での動態をPETIS (Positron Emitting Tracer Imaging System) 法により測定し動画を作成した。植物体は全て播種後3ヶ月、開花後3週間の登熟期のイネ(品種:日本晴れ)を用いた。根に52Fe3+-デオキシムギネ酸を投与してPETISで14時間計測を行ったところ、計測開始4時間頃から穂と止め葉のイメージがほぼ同時に現れた。このことから短時間においては、根から吸収された52Feは止め葉を経由せずに穂へ移行した可能性が高いと考えられた。また、登熟期のイネの根に62Zn2+を投与してPETISで14時間計測を行ったところ、投与後3.5時間頃から、穂のイメージが現れたが、止め葉のイメージは14時間後まで現れなかった。止め葉以外の葉においても、62Znは葉身にはわずかにしか蓄積せず、主に葉鞘や節に蓄積した。このことから、短時間においては、根から吸収された62Znは止め葉や他の葉を経由せずに穂へ移行したと考えられた。この他に[11C]メチオニンおよび[13N]アンモニアを根に投与した場合の11Cや13Nの動態の計測も報告する。
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© 2006 日本植物生理学会
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